東京大学大学院学際情報学府 中原研究室からENGLISH ACADEMIAというこれから研究生活に励む学生向けに作成された英語オンラインサービスがリリースされました。早速使ってみたので感想を共有します。
アカデミック英語は4プロセス
はじめに東京大学大学院学際情報学府というのは、東大の中でも異質な専攻科で、今回のような教育に関する研究やWEB(UIUX等)の先進的な研究をしています。他大学からの進学が多く、新領域とも異なり、私立の女子大からも研究のために進学してくるので面白い人が多いです。このようなサービスを出す東大の研究室というのはかっこいいなと思います。
さて、本題のENGLISH ACADEMIAですが、2017年2月10日にサービスがリリースされました。ターゲットが、学生でありかつこれから研究を始める人向け対象のサービスです。私自身も理系の大学院生で研究に励んでいたころ、アカデミックな英語に苦戦した覚えがあります。
アカデミックな英語は、
1.論文を読む
2.論文を書く
3.研究内容を発表
4.研究内容について、外部の人とディスカッション
の4用途が主なものでした。今回のENGLISH ACADEMIAは1,2にフォーカスした内容になっています。旧帝大クラスの学生であれば、論文を読むこと自体は受験英語ができれば苦となりませんが、2~4は非常にハードルが高いです。
かつ、TOEICと異なり、勉強する
ための教材がないため、研究用の英語を勉強するのに苦労しました。研究室にたまっている先輩のノウハウをそのまま見ながら覚えるという感じだったので今回のようなサービスは非常にありがたいです。
結論から言うと上記のこれから英語を学びたい研究初級者の方にはぜひご利用いただきたいのでご登録してみてください。
驚いたのは日本語の演技力
コンテンツの内容の話をすべきかと思いますが、まず驚いたのは日本語パートでした。日本人であるAnnaさんとJoeさんの日本語演技力が一瞬プロかと思ってしまいました。NHK教育テレビで見るような語り口調で子供向け英語教材に登場してほしいと思いました。
なぜあそこまでうまい話し方ができるのか気になったところでした。日本語にひきこまれて最初英語がまったく頭に入ってきませんでした。
本題の英語ですが、決して流暢な英語というわけではないですが良く学習しているなという印象でアカデミックの世界で十分に通じるレベルの英語を話していました。向上心をもって大学院生が取り組んでいる姿がとてもよかったです。
英語能力ですが、TOEICレベルで700は最低でもないとアカデミックで議論するための英語は学んでも意味ないでしょう。使っているセンテンスが、研究室のみならず仕事の議論でも使える表現ばかりで英語を使う仕事をする必要がある若手の民間企業研究者にもぜひ使ってほしいと思います。
こちらはLisa先生が話す英語です。
東大発の英語教材は業界を変えるか
正直今のところは英語教育を変えるまでのポテンシャルはかんじていませんが、研究英語入門という民間企業が儲けが少ないために手を付けていない領域をサポートしてくれて大変ありがたいと思います。
自分が大学院生のときに戻れば間違いなく研究室の同期にはすすめています。
大学が莫大な資本力を武器に、英語業界をつぶしてしまうとよくないと個人的に思いますが、このように民間が入らないスキマの領域をもっとカバーするのが良いと思います。
センテンスも非常に練られておりオンラインとしての質の高さは保証できます。文系の学生だとなかなか使う機会が限られるかもしれませんが英語でディスカッションする機会のある授業があるときはぜひこのコースでしっかりと履修をしてから授業に臨むと、「優」を獲得できるでしょう。